新鮮な肉は、元々やや褐色がかった色をしています。
鮮やかな赤い色をしている方が、実は鮮度的にはやや劣るのです。
肉には「ミオグロビン」という色素があり、これが空気に触れて酸化すると、赤く鮮やかに発色します。
だから、空気に触れにくい内側は、本来の褐色がかった色をし、空気に触れやすい外側が鮮やかな色をしています。
肉の鮮度が落ちることによっても、肉は褐色に変わります。
新鮮な肉の褐色と、鮮度が落ちた肉の褐色は、空気にさらしてみれば、判別が付きます。
新鮮な肉ならば、空気にさらして数分~10分ほど放置すると、赤く変わります。鮮度が落ちた物は、どれだけ空気にさらしても、褐色のままです。
消費者の多くはこうした事情を知らないので、褐色の肉=鮮度が悪いと考えてクレームを付けられるのを恐れ、精肉店やスーパーでは、薄切り肉の場合は、わざわざ肉を空気にさらして、赤く発色させてから、トレイに乗せることがあります。
もちろん空気にさらしているので、商品が傷んで風味が落ちていきます。それでも、見た目重視で買っていただけないよりはマシだからなんです。